令和元年9月定例会(9月30日)の静岡市議会で、静岡大学の統合再編問題が取り上げられました。
大村一雄議員が 《一括質問一括答弁方式》「1 市長の政治姿勢」 において、静岡大学の統合再編について質問し、田辺信宏静岡市長が答弁しました。
動画はこちらです。
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/shizuoka/WebView/list.html
左側のウィンドウから、
令和元年9月定例会→09月30日総括質問→大村一雄議員 《一括質問一括答弁方式》「1 市長の政治姿勢」 とたどってください。
15分09秒頃から質問が始まります。
(視聴には、ブラウザでのAdobe Flash Player の動作が必要です。)
質疑の概要
大村一雄議員の質問 15分09秒〜
田辺市長の答弁 34分26秒〜
大村一雄議員の意見要望 46分59秒〜
大村議員は
「これでは、現在、進められている静岡大学の統合再編案は、無効であると言っても過言ではありません。」
と述べられ、
田辺市長は
「文部科学省通知にある地元自治体等、関係者の理解を十分に得て進める。それこそが、この統合再編において、最も重要だと考えておりますが、静岡大学の取り組みは不十分な状況であると言わざるを得ません。」
「9月26日には石井学長がお見えになり、去る3月27日開催の静岡大学経営協議会の議事録に掲載されていた私の意図するところと異なる発言要旨を訂正した旨の、報告とお詫びがあり、その上で静岡大学将来構想協議会を設置し、「ゼロベースでの議論をお願いしたい」との申し出がありました。」
と述べられています。
以下に、実際の質疑応答を示します。
大村議員の質問(15分09秒〜)
こちらは、ソフトとしての人づくり、これにおいて、特に大事な役割を担う大学の問題であります。市長は、まちづくりは人づくり、との考えのもと、地域を支える高度人材を育成する、市内各大学と包括連携協定を締結し、地域課題を大学と協働して解決する、研究事業を実施するなど、各種連携事業を進めてこられ、さらに全国において、大学改革が進められている中、本市の高等教育のあり方の検討にも、力をいれており、地域における大学の役割を大変重視しておられます。
とりわけ、市内最大にして、長い歴史を有し、これまで多数の優秀な人材を輩出されてきた静岡大学の本市にとっての重要性については、ひときわ高くお感じではないでしょうか。
その静岡大学は、現在、国で進められている、大学の統合再編問題によって揺れ動いており、メディアを騒がせる状況となっております。国において、国立大学の更なる統合による、大学の経営基盤強化を図るため、従来の「1法人1大学」の原則を改め、新たに各大学の枠組みは維持したまま法人のみを統合する「1法人複数大学」という制度が設けられ、これを受けて、静岡大学においても浜松医科大学との、統合再編計画が示されました。
しかしながら、この再編計画は、蓋を開ければ、いまある静岡大学の一部である工学部、情報学部を分割し、浜松医科大学と統合させた上で、残りの静岡大学と法人のみを統合させる、分割再編型の「1法人2大学」を目指そうとするもので、70年の歴史を有する静岡大学を、静岡と浜松に分割してしまうものと言えます。
こうした再編計画には、静岡大学内からは元より、市民の皆さんから、少なからず不安の声をいただいており、また、説明を求める教員や学生、市民の声に対しても、大学側が十分に向き合っておらず、「既に決定したこと」との立場から計画が進もうとしている、との危惧も聞かれております。
静岡市に対する説明も十分とは言えません。田辺市長は「十分な説明を受けたことはなく、理解したわけではない」と話しておられ、我々、市議会も、静岡大学から、これまで直接、説明はいただいてはおりません。7月には、文部科学省から、国立大学法人の統合再編に関する留意事項が、各大学へ通知されているところであります。この留意事項は「当該制度を活用するにあたっては、関係大学はもとより、地方自治体等の関係者の理解を十分に得て、進めるべきである」という記載があります。先ほど申しあげたとおり、説明どころか、何もない状況では、理解のしようがありません。これでは、現在、進められている静岡大学の統合再編案は、無効であると言っても過言ではありません。
市民の代表である我々、市議会としては、このような状況を見過ごすことはできないとの考えから、8月に市議会全会派一致で連名にて、申し入れ書を文部科学省へ提出をいたしました。
今後の少子化、大学間の競争も見据え、経営基盤を強化していることは確かに大事ですが、現状のような混乱がつづく状況では、統合再編を通じて、静岡県の大学教育を盛り上げていくことができるのか、心配と言わざるを得ません。
そこで市長は、静岡大学の統合再編をどのように理解しているのか、また、今後、静岡大学とどのように向き合っていこうと考えているのか、お聞かせください。
田辺市長の答弁(34分26秒〜)
静岡大学の統合再編についてでありますが、私も大村議員と同じ思いであります。すなわち、議員ご指摘の、文部科学省通知にあります地元自治体等の関係者の理解を十分に得て進める、それこそが、この統合再編において、最も重要だと考えておりますが、静岡大学の取り組みは不十分な状況であると言わざるを得ません。
そのような中、市議会の皆様には、全会派一致で文部科学省へ申し入れを行っていただき、感謝しております。
また、その効果もあってのことと思いますが、9月26日には石井学長がお見えになり、去る3月27日開催の静岡大学経営協議会の議事録に掲載されていた私の意図するところと異なる発言要旨を訂正した旨の、報告とお詫びがあり、その上で静岡大学将来構想協議会を設置し、「ゼロベースでの議論をお願いをしたい」との申し出がありました。
静岡大学は地域にとって欠くことのできない資源でありますことから、私はこれを受け、協議会の中で静岡大学の将来像や、地域貢献等についての検討を深めて参りたいと思います。
大村議員の意見要望(46分59秒〜)
まず、静岡大学の統合再編問題についてであります。静岡大学からゼロベースで議論をしたいとの申し出があったとのことですので、市当局においては、今後の統合再編の動向や影響を適切に把握し、静岡大学の関係者の声を聴きながら、本市にとっての静岡大学の存在意義をしっかりととらえ、建設的な将来像を共に描いていけるよう、しっかりと検討してもらいたいと思います。