静岡新聞(2019年6月12日)より抜粋
静岡大と浜松医科大の法人統合・大学再編を巡り、川勝知事は自身が統合・再編に賛成しているとする静岡大経営協議会議事録の記述内容を否定。/議事録には「知事はもともと遠州大学と駿河大学のように大学を二つに分けることを提案しており、賛成している」と大学側が発言した記述がある。川勝知事は以下のように述べた。
「駿河大など初めて聞いた。そういう発言はない。」
「政治家が容喙(ようかい)してはならない。」
中日新聞(2019年6月12日)より抜粋
川勝知事は、静岡大と浜松医科大の再編を議論した静大の議事録に、自身が再編に賛成の意向を示している趣旨の記載があったことに触れ、以下のように述べた。
「そのような発言はない。」
「大学の自治は大切で、政治家が容喙(余計な口出し、の意味)してはならないというのが大原則。」
記者会見配信動画より抜粋
記者会見の動画はこちらです。
http://bb.pref.shizuoka.jp/channel/detail.asp?pg=1&arcdid=01EAAPvB2H2U2A&arcid=1&arccid=0
59分46秒くらいから 下記のやり取りが始まります。
記者「 静岡大学の再編統合についてなんですが、先日、静岡市長の記者会見の中で、田辺市長が大学経営協議会というのがですね、この間の分離再編計画の発表の前々日に行われた、3月27日に行われた大学経営協議会の中の議事録に、あの、川勝知事の発言と静岡市長の発言が、学長の言葉の中で引用されていまして、それについて田辺市長が私はこういうことは言っていないということで、大学側に訂正を求めたということを記者会見で明らかにされています。
私の質問は、川勝知事が言ったことというのは、経営協議会の議事録の中で「川勝知事についてはもともと遠州大学と駿河大学のように大学を2つに分けることを提案されており、この度の再編計画に賛成していただいている」と学長が述べているんですね。3月27日に。で、その直後だったと思うんですが、私たちの定例記者会見のときには、知事はこの大学再編について「私が口をはさむことではございません」と言っていたので、まあその発言とは若干矛盾すると。
疑問点の1つ目は、まず「もともと2つに、遠州大学と駿河大学のように大学を2つに分けることを提案されたのは、知事なのか」、ということ、知事は、大学の再編、この度のような、静岡大学を2つに分けて、西部と浜松医科大学の合併というかたちの、このような再編統合に賛成しているのか、この2点について、現在の段階での知事のお考えをお聞かせ下さい。」
知事「 駿河大学なんて初めて聞きました(笑)。まあ、ですから、そういう発言はありませんわね。ええ、まあ、ええ、静岡大学のほうがいいんじゃないですか。まあ、名前として言えばね。急に駿河大学なんか作るよりね。まあ、それはそれとして、あの、ええ、大学の自治というのはきわめて大切でですね、政治家が容喙してはならないというのは、これは大原則です。私がいまこの立場にいるのも、その大学に政治が持ち込まれたと、学の独立がおかされたと、それに反発して、大学に抗議して、やめたわけですから、いまそれを大学経営者、いわゆる理事長が天下りであったわけですね、教育長、あるいは副知事さんの、これはいかんということで、それでいまは大池先生、ならびに有馬朗人先生に経営をお願いし、一切、容喙しません。まあ、ただ大学人としてですね、ええ、色々とお決めになるということについては、それは尊重するというのが私の立場です。」
記者 「1年前の知事会見の中では、知事は、中日の松野さんの質問に対してですね、あの静岡大学の西部キャンパスと浜松医大の経営統合については、どのようにお感じでしょうか、と言われたときに、「私も文芸大の教員であったときに、西側の公立大学と静岡大学の西部キャンパスと浜松医大と、なんかのかたちで連携できないかということを探ったことがあって、伊東学長ともそのような話をしたことがあって、地域に立脚している、立地している大学同士がさまざまに連携するのはいいことで、その上で、同じ地域に立地していたからこそ出来たこと、連携が出来たこともあるので、再編統合については是非、真剣に考えて欲しいと思っております」、という発言をされているんですけれども、介入されていないと言いながら、この程度のことは言っておられるわけで、それをまた学長さんが知事が東部と西部に大学が1つずつあることが望ましいというふうに曲解されたのかどうか分からないんですが、若干踏み込んだ発言を一年前にはしておられて、知事としては、どちらが本意なのかな、と。」
知事「 いま言われた通りですよ。私、申しあげたことはその通りでして、静岡文芸大、公設民営でしたね、実質県立ですよね。一方、静岡大学は工学部と情報学部があって、私が大学の学長をしていた頃には、当時、伊東さんは情報学部の学部長をされていたわけです。そうしたことで、向こうはわりと男の子が多いと、こちらは女の子が多いと、それで交流したらどうかということで、単位互換もしようかということで、やっていたわけです。それはその通りです。それはもちろん静岡大学の教育学部と・・では、授業の、10分間休憩で移動しないといけないわけで、それは移動できないわけで、だから地域が近いからできるということがあるわけです。それから、あの、いま、大学がたくさんできたために、いわゆる第一次安倍内閣のときに、最初に教育再生会議というものが開かれたときに、4つくらい部門があったんですよ、私は高等部門の座長を仰せつかっていたと思います。ですからまあ全体の座長は野依良治先生だっと思うんですけれども、それはまあともかくとして、そのときに、これからの大学の未来をどう考えるかということがありました。
それはいわゆる、あの旧帝大のように、いわば世界に打って出てやるところ、とですね、それからまあ地域に密着したところと、あるいはまた専門性を大切にするところと、幾つかカテゴリーに分けられていました。いまそういう大学再編は、定員をあの満たさない大学が増えてきてですね、再編はやむを得ないんですね。ですから私も、この再編については色々起こることについては当然だと思っています。大学は生き残りをかけていろんなことをされているということですね。ただ、あの、ええ、その学長というのは、静岡大学の学長先生ですか、なんと仰ったっけ?(誰からも名前が出てこない・・・)哲学者ですよね。たしか。立派な方ですよ。尊敬していますよ。ですからね、そのお考えで、どう言われるかといえば、私はそれに対して別にとやかく言うもんじゃありませんけれども、あの、大学の再編について日本はそういう流れの中にあるという認識はもっています。むしろそういうものを、促した、教育再生会議の委員もしていたわけですから。
だから、私は、静岡県の場合は、地域立脚型の大学がもっとも生き残る上で相応しいという風にも、あの、つまり旧帝大がいわゆる国際的に活躍するところというふうに位置づけられていましたので、そこには沢山のお金が国ですがね、投入されるんですよ、国から。研究費がないと十分な研究できません。そうした中で多くの旧公立大学は地域密着型への舵をきっているんですね。そうした流れの中で発言されたのではないかと学長先生も発言されているのではないかと思います。」
記者「言っていないことを言ったと言われたことに関しては、田辺さんは、訂正を求めたいと言っていたのですが、川勝知事はそのようなお考えはありますか。」
知事「もうね、あのお、言っていないことをしょっちゅう言われて、書かれているので、ですから、そんなことはいちいち腹を立てていたら、きりがないと。ただ、あのお、ええ、政治家の場合には、言ったこと、有言実行でないといけないでしょ、ね、有言不実行の方が、そんなことを言う資格があるか、と言いたいですね(笑)。」