静岡新聞(2019年7月27日)より一部抜粋
静岡大と浜松医科大の法人統合・大学再編について、静岡市の田辺信宏市長は26日の定例記者会見で、「(大学当局は)説明責任を果たしていない。行政、議会、市民に対してはもちろん、学内でもまだまだ十分な説明が行き渡っているとは思えない」。また、現状の案では静岡市にメリットはないと指摘し「(今のままでは)協力のしようがないというのが実感。拙速に進めるべきではない」と述べた。
令和元年7月26日(金)定例記者会見配信動画より抜粋
記者会見の動画はこちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=QGxlH0uJvkU
29分58秒くらいから 下記のやり取りが始まります。
幹事社 静岡第一テレビ
田辺市長 「2つ目の大学のことについてであります。これは、私たち、市行政でも、あるいは市議会でも、いま議論が進んでいるところであります。そのなかで、やはり私が石井学長にお願いをしたいことは2つ、1つは静岡キャンパスの将来ビジョン、それを私たちがわくわくするような、あっ、これならいいねえ、と思えるような、そんなビジョンというものをちゃんと提示をしてほしいなというふうに思います。それは静岡大学のみならず、大局的にみれば、これから国公立の大学の再編ということも視野になってくるでしょう。石井学長と県立大学の鬼頭学長もこのあたりで、ずいぶん議論を進めているということでありますし、全国の中では国立と公立の垣根を越えた再編の問題もあるということであります。そんな大きな視点からこれからの静岡大学をどうしていくかというビジョンというものを示して頂きたいうふうにお願いしたいと思います。県立大学には薬学部もある、あるいは食品衛生学科もある、ええ、静岡大学には農学部もある。いろいろな大学を超えた連携というものが出来るし、そこで学びたいという市民も多くいる、というふうに私は感じています。そういう意味では、高等教育のあり方検討委員会も静岡市で設置をしてきましたので、そんな流れの中でリカレント教育ということもありますので、是非、静岡大学の大きなビジョンというものを示していただきたい、それがないと協力しようがないなあというのが、実感であります。
2つめは、そのもとで、ちゃんと、学内、市民に説明をしてほしい、説明責任をまだ果たしていない、と感じています。私たち市行政に対しても、市議会に対しても、市民の皆さんに対しても、学外に対してはもちろんでありますけれども、学内で、まだまだコンセンサス、十分な説明が行き渡っている、とは思いません。石井学長も人文社会科学部のご出身であり教授でありますので、ちゃんとそこのところをこれは外からの立場からではありますけれども、ちゃんんと説明をしていき、そして、その上で、よし、これで学外にも市民の皆さんにも伝えて、知の財産として、静岡大学、これからも市民のみなさんに身近に感じられてもらえるような、そんな説明を、説明責任を果たしていただきたい、というふうに思います。以上です。」
記者 「追加質問させて頂ければと思います。2点目の大学の再編についてですが、さきほど「協力のしようがない」ということでお話されましたけれども、この点、賛成、反対ということについてはいかがでしょうか。」
田辺市長 「私の答えをちゃんと理解をした上での質問ですか?」
記者 「いま要は説明がまだ不十分であるという話しだと思うんですけれども、その中で、そこについてはいまは協力のしようがない、という話しかと。」
田辺市長 「そうですね。だから、そのビジョンというものを、そして学内のコンセンサスづくり、それを終えてあとの話しになろうかと思いますね。」
記者 「そうすると、まだ説明が不十分だという点の中で、」
田辺市長 「学内の中でもね、」
記者 「私たちからすれば、浜松地区のほうがメリットが強いように感じるんですが、なにかいまのところ静岡市としての静岡大学のメリットとかデメリットとかなにかしら感じるところはありますか。」
田辺市長 「静岡市民がわくわくするようなビジョンは是非、示していただきたいなあということを、いい機会だと思うんですね、大きく全国的に大学の再編が進んでいる、いい節目だと思います、絶好のチャンスだと思うんです、大学にとってもね、もっと市民に身近に感じてもらえるような機会、また、これから国際化に、静岡市のまちづくりがSDGsとね、関連づけて、取り組んでいるという舵を切っているわけですから、それに相応しい大学としてね、アジアを中心とした、留学生がもっともっとああこういう内容だったらば、もっと静岡大学に留学したいねと、東京の大学ではなく静岡大学に行きたいねと、そういったメリットというか、そういったわくわくしたような、そしてそれを市民もそれを迎え入れるようなね、そんな大学として、いろいろなアイデアがあろうかと思います。それをあまりにも、行政のスケジュールとはいわないけれど、拙速にね、進めるべきではないというふうに思っています。」
記者 「いまの説明の中では、そうすると市長としてはまだメリットとしてはあんまり感じるところはない、と。」
田辺市長 「はい。」
記者 「ということでよろしいでしょうか。」
田辺市長 「はい。」